西宮市議会 1978-03-29
昭和53年 3月(第14回)定例会−03月29日-08号
出 席 議 員
1番 余 百 保次郎 君 26番 生 瀬 悦 子 君
2番 中 前 勲 君 27番 片 岡 保 夫 君
3番 楽 野 信 行 君 28番 岡 本 佐久次 君
4番 宮 本 克 俊 君 29番 塚 田 信 義 君
5番 西 村 義 男 君 30番 海 貝 福 松 君
6番 武 田 元 宏 君 31番 塚 本 幸治郎 君
7番 今 西 永 兒 君 32番 橋 本 完 君
8番 川 崎 民 蔵 君 33番 西 埜 博 之 君
9番 細 山 治 君 35番 小 西 元 君
10番 阪 本 信 弘 君 36番 東 内 三 男 君
12番 中 山 正 義 君 37番 江 上 常 富 君
13番 森 豊 君 38番 木 下 猛 君
14番 目 黒 邦 典 君 39番 河 崎 靖 君
15番 幸 田 竜 一 君 40番 半 田 幸 雄 君
16番 平 野 正 裕 君 41番 上 島 信 雄 君
17番 大 槻 弥之助 君 42番 元 田 俊 哉 君
18番 礒 見 一 君 43番 中 村 芳 雄 君
19番 園 田 秀 雄 君 44番 草 加 義 直 君
21番 樽 井 正 雄 君 45番 八 木 米 次 君
22番 竹 永 昭 義 君 46番 岡 田 八百蔵 君
23番 雑 古 宏 一 君 47番 小 林 益 男 君
24番 灘 儀 義 雄 君 48番 谷 口 徳 二 君
25番 鳥 飼 黎 明 君
欠 席 議 員
11番 岡 辺 金次郎 君 34番 前 田 東 君
説明のため出席した者の職氏名
市 長 奥 五 一 君 土 木 局 長 杉 山 武 君
助 役 小 田 忠 彦 君 中 央 病 院 長 久保山 敏 郎 君
助 役 南 野 三 郎 君
中央病院事務局長 阪 下 勝 彦 君
収 入 役 森 原 孝 雄 君 消 防 局 長 福 田 昌 已 君
企 画 局 長 馬 場 順 三 君
水道事業管理者 小 野 行 茂 君
総 務 局 長 三 村 幸 治 君
水道局業務部長 今 井 章 君
行 政 課 長 吉 村 孝 治 君
選挙管理委員長 小 川 正 男 君
財 政 局 長 安 藤 音 次 君 代 表 監査委員 平 山 義 一 君
財 務 部 長 白 井 利 治 君 監 査 委 員 植 田 八 郎 君
同 和 対策局長 河 村 吉 庸 君 教 育 委 員 長 小 野 勝 雄 君
市 民 局 長 岸 昭 君 教 育 長 宮 崎 康 君
福 祉 局 長 中 村 哲 也 君 教 育 次 長 松 村 暢 之 君
衛 生 局 長 植 田 悟 郎 君 教 育 次 長 小 林 久 盛 君
建 設 局 長 前 田 一 男 君
職務のため議場に出席した
事務局職員
事 務 局 長 川 崎 正 君 書 記 乾 隆 文 君
庶 務 課 長 大 西 功 君 書 記 古 賀 偉 夫 君
議 事 課 長 天 野 禎 夫 君 速 記 書 記 西 岡 衛 君
議 事 係 長 滝 本 憲 司 君 速 記 書 記 高 村 順 子 君
書 記 中 野 守 道 君
(午前11時03分 開議)
○議長(
目黒邦典君) ただいまより定例会第8日目の会議を開きます。
現在までの出席議員は45名であります。
本日は、
岡辺金次郎君、前田 東君から病気のため欠席、以上の
通り届け出を受けております。
本日の
会議録署名議員に、会議規則第113条の規定により、23番 雑古宏一君、27番 片岡保夫君、以上両君を指名いたします。
本日の議事日程はお手元に配付いたしました日程表の通りであります。
これより日程に従い議事を進めます。
まず、日程第1 議案第71号外22件を一括して議題といたします。
各案に対する委員長の報告を求めます。
まず、
総務常任委員長 木下 猛君。
◆38番(木下猛君)
総務常任委員長報告。
ただいま上程中の諸議案のうち当委員会に付託されました、議案第71号西宮市附属機関の設置に関する条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第72号西宮市一般職員の給与に関する条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第73号西宮市
公共施設等整備基金条例制定の件、以上3件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、提出された関係資料をもとに、慎重に審査いたしました結果、議案第73号は要望意見を付し、他はいずれも異議なく原案を承認するものと決しました。
次に、議案第73号に対する要望意見を申し上げます。
本案は、
開発事業主が納入する
開発整備協力金を、将来の公共、公益施設の整備に要する資金として、基金を設け積み立てて、将来の負担増に備えようとするものであります。御承知のように、
開発整備協力金は、教育施設、公園及び下水道の整備に充てるため、
開発事業主に納入させるもので、本来目的税的な性格を持ったものであります。しかしながら、本案の内容を見ると、積立金の額については市長の定める額となっており、基金の使途についても明確な基準はなく、すべて市長の判断にゆだねられております。この点については、当局より、近隣各都市の状況も調査したが、いろんな問題点があり、各都市とも限定した枠を設けておらず、本市としても今回このような形で提案させてもらったとの説明がありました。最初の試みでもあるので、そういった事情もよく理解できるが、このような内容では、将来、拡大解釈されて市長の自由裁量に進んで行くおそれもあるものと考えられます。また一方、開発行為によって、最も急務とされる問題は、
地元教育施設の整備であることは周知の通りであります。したがって、これら資金の充当に当たっては、地元への還元と教育施設の整備を最優先にすべきであると思量いたします。
よって、当局におかれては、以上の指摘を十分参酌の上、将来は
開発整備協力金本来の性格に基づいた一定の基準を定め、その使途については議会及び市民にもわかるような運営をされるよう、強く要望するものであります。
以上であります。
以上、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
文教常任委員長 園田秀雄君。
◆19番(園田秀雄君)
文教常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第74
号西宮市立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第75
号西宮市立学校条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第76号西宮市
奨学基金設置条例の一部を改正する
条例制定の件、以上3件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、議案第74号については賛成多数をもって、他はいずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
民生常任委員長 片岡保夫君。
◆27番(片岡保夫君)
民生常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第77号西宮市
国民健康保険条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第78号西宮市
農業共済条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第79号西宮市
中小企業勤労者福祉共済基金条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第80号西宮市
食肉センター例の一部を改正する
条例制定の件、議案第81号西宮市
援護資金条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第82号西宮市
援護資金設置条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第83号西宮市
老人居室整備資金貸付条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第84号西宮市
老人居室整備資金貸付条例の
特別措置条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第85
号西宮市立軽費老人ホーム条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第86号西宮市
医療費助成条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第93号昭和53年度西宮市
農業共済事業事務費の賦課総額および賦課単価を定める件、以上11件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、提出された関係資料をもとに、慎重に審査いたしました結果、議案第77号については要望を付して異議なく、議案第85号については賛成多数をもって、他はいずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
次に、議案第77号に対する要望を申し上げます。
国民健康保険制度は、相互扶助の精神に基づき広く国民の健康保持のために利用されており、順次国民の要求に応えて、給付率の改善、給付内容の向上等、制度の拡充がはかられてきたのであります。御承知の通り、本市においても、広く人道的な見地に立ち、昭和46年10月より韓国、朝鮮、中国籍を有する住民を
国民健康保険適用対象とする等、制度の拡充につとめてきたが、今回これを、
外国人登録法の規定に基づき本市に登録する
外国籍住民のすべてに適用対象を拡大するとともに、
葬祭費給付額の引き上げ、さらには、
最高限度額の改定により
中間所得者層以下の保険料の軽減をはかるため、現行条例に所要の改正を行なおうとするものであります。本改正案中、適用対象の拡大、すなわち国籍のいかんにかかわらず本市に居住する外国人すべてを適用対象とするに当たっては、従前に増して相互扶助の精神にのっとり、負担公平の原則の周知徹底に意を用い、いやしくも給付事由の発生を待って加入する、いわゆる緊急避難的な適用を排除し、制度発足と同時に
適用対象者の一斉加入を強力に推進されたいのであります。あわせて、
葬祭費給付等、給付内容の改善についても、近隣諸都市との連携をはかりつつ、充実改善に不断の努力を払われるよう、要望する次第であります。
以上であります。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
建設水道常任副委員長 元田俊哉君。
◆42番(元田俊哉君)
建設水道常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第87号西宮市
道路占用料徴収条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第88号西宮市
水路管理条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第89号西宮市
都市公園条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第90号西宮市
水洗便所等改造資金助成条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第91号西宮市
建築協定条例の一部を改正する
条例制定の件、議案第92号西宮市
住宅物置条例の一部を改正する
条例制定の件、以上6件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、提出された関係資料をもとに、慎重に審査いたしました結果、いずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) なければ、質疑を打ち切り討論に入ります。
上程中の各案に御意見はありませんか。──6番。
◆6番(武田元宏君) ただいま上程中の23の議案のうち、
共産党議員団は、議案第74
号西宮市立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する
条例制定の件、そして議案第85
号西宮市立軽費老人ホーム条例の一部を改正する
条例制定の件、この二つの
条例改正に反対をいたします。
その理由といたしまして、議案第74号の方は、
県立高等学校の授業料、考査料が改正をされる、これに伴って
総合選抜制をとっている本市については、この県の
条例改正に連動して授業料、考査料の値上げを行なうというものでありますが、現在
高等学校は、99%の進学がなされるなど義務教育に準ずるようなところまできております。こうした現況にかんがみて、市民の負担増になるこの種の授業料、考査料の徴収の増加には反対をするものであります。また、この
条例改正の中には、本市立の
定時制高等学校の考査料についても値上げをするというふうになっておりますが、これは
総合選抜制とは全く関係のない、非常に矛盾に満ちたものであります。以上のような点から反対したいというふうに考えます。
また、議案第85号については、本市の
軽費老人ホーム雅楽荘に入居するお年寄りの負担増加を引き起こすものであります。市長の行政方針でも言っているように、心のあたたまるような福祉施策を改善するということをほんとうに貫くならば、この種少額の値上げをするような
条例改正はすべきでないというふうに考えるわけであります。
以上の理由によりまして、議案第74号、85号については、
共産党議員団反対をいたします。
◆47番(小林益男君) 議案第74
号西宮市立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する
条例制定の件につきまして、市政会は賛成の立場から意見を申し述べます。
本市におきましては、従来より
公立高等学校の
入学者選抜に関し、
総合選抜制がとられてきております。これは
高等学校間に格差をなくし、それぞれの学校が協調し連帯して西宮市の教育推進をはかっていこうとする制度であります。したがって、
市立高等学校も
県立高等学校もその制度の中では同等の条件を持つ必要性が大きいのであります。聞き及びますところでは、
県立高等学校の授業料の改正案がすでに3月24日の県議会で可決されたとのことであります。
県立高等学校の
授業料改正に伴い、当然本
市立高等学校もそれに準じ改正せざるを得ないのであります。一方、本市の
市立高等学校で年間生徒1人当たりに要します経費は46万円をこえており、今回の改正によります授業料の年額5万7600円はその12%程度であります。また、近隣の
私立高等学校の授業料を見ますと、1カ月に1万円をこえているところがほとんどであり、入学金もかなり多額にのぼっております。このような私立高校の授業料の状況や市立高校での年間所要経費に占める授業料の割合から考え、また、特に
公立高等学校間の種々の格差是正を目ざしております
総合選抜制をとっている本市としましては、
県立高等学校の
授業料改正がなされることとなりました現在におきましては、本市高校の授業料を改正いたしますことはやむを得ない処置であると考え、本案件に賛意を表するものであります。
以上。
◆26番(生瀬悦子君) ただいま上程中の、議案第74
号西宮市立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する
条例制定の件と、議案第85
号西宮市立軽費老人ホーム条例の一部を改正する
条例制定の件については反対でございます。
まず、授業料の値上げについてですが、現在高校の進学率は100%近くになり、完全に準義務教育化しているにかかわらず、
総合選抜制の名のもとに、県立高校が値上げしたからといってこれに追随し市立高校の授業料を値上げするというのは、市民生活の実態を全く無視したものでございます。過去において県立と市立との間に格差のあったこともございます。それは市立という考えから生じたものであり、ちなみに山口から市立西宮
高等学校に通学している生徒の1カ月の通学費は1万3500円にもなっているのでございます。今回授業料が値上げされますと2万円近い費用負担となります。公立高校の値上げは即私立高校の値上げにつながり、家庭における教育費の支出は年々増大し、諸物価の値上げの引き金にもなるのであります。この不況下に公共料金の値上げは絶対に許されないものであり、今回の授業料の値上げにつきましては反対でございます。
なお、議案第85号についても、同じく公共料金の値上げには反対という立場から、社会党議員団は反対でございます。
○議長(目黒邦典君) ほかにありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
採決は議事の都合により2回に分けて行ないます。
まず、議案第71号ないし第93号の23件のうち、議案第74号及び議案第85号の2件を除く21件の採決を行ないます。
各案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することにして御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました21件は原案通り可決されました。
次に、議案第74号及び議案第85号の2件の採決を行ないます。
両案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました2件は原案通り可決されました。
次に、日程第2 議案第94号外1件を一括して議題といたします。
各案に対する委員長の報告を求めます。
まず、
総務常任委員長 木下 猛君。
◆38番(木下猛君)
総務常任委員長報告。
ただいま上程中の諸議案のうち当委員会に付託されました、議案第95号昭和52年度西宮市
鳴尾外財産区
特別会計補正予算(第1号)につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、異議なく原案を承認するものと決しました。
以上、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
民生常任委員長 片岡保夫君。
◆27番(片岡保夫君)
民生常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第94号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第8号)につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、質疑を打ち切り討論に入ります。
上程中の両案に御意見はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
上程中の両案は、ただいまの委員長の報告の通り決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました2件は原案通り可決されました。
次に、日程第3 議案第96号外20件を一括して議題といたします。
各案に対する委員長の報告を求めます。
予算特別委員長 灘儀義雄君。
◆24番(灘儀義雄君) 予算特別
委員長報告。
委員各位の御了承を得まして、ただいまから予算特別委員会における審査の経過と結果について御報告申し上げます。
本委員会は、ただいま議題となっております、議案第96号昭和53年度西宮市
一般会計予算をはじめ、各
特別会計予算、企業会計予算21件について審査を行なうため、23名の議員をもって設置されたものでございます。
まず、3月20日、委員会を開催いたしまして正副委員長の互選を行ない、委員長に不肖、私、灘儀義雄、副委員長に園田秀雄、片岡保夫両君が選任されました。引き続き、委員会の運営方法について協議を行なった結果、運営全般に関する協議機関として、正副委員長(3名)、各会派1名(6名)の9名をもって構成する理事会を設置することとしたのであります。
以来28日まで、日曜、祝日を除く7日間にわたり、当局より提出された関係資料をもとに、連日終始熱心かつ慎重に審査いたしました結果、議案第96号、第102号及び第106号、以上3件については賛成多数をもって、その他はいずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
次に、審査過程の中で、特に重要な問題として指摘された事項を申し上げます。
御承知の通り、現今の激増する都市財政需要の中で、超過負担が地方公共団体の財政を圧迫していることは論をまたないところであります。これが観点から、地方交付税制度の問題が論究されたのでありますが、51年度の地方交付税の交付の実態を見ると、全国市町村3257団体中、57団体が不交付団体となっており、このような状況の中では、地方交付税率を32%から40%に引き上げるというような小手先の措置が講ぜられても、当市のような不交付団体にとって財政問題が解決されるものではありません。これは、地方交付税制度そのものが、本来の制定目的を失った証左であり、これを改善するためには、本来的な意味での税財源の再配分問題に力点を置くべきであると考えられるのであります。このような意味から、現在の不況下においては、不交付団体といえども、この制度が存続する限り、現行制度上の不満な点は、中央にその改善を働きかけるべきことは当然のことであります。したがって、全国市長会等を通じてすみやかに地方交付税制度の抜本的な改善を強く要望すべきであるとの指摘であります。
次に、その第2点目は、当局の議会に臨む姿勢についての指摘事項を申し上げます。
議員は40万市民の代表としての立場を自覚し、委員会、本会議を問わず、常にみずからの発言に責任を持って議員活動を行なっているものでありますが、当委員会の審査過程の市当局の発言を見るとき、必ずしも確信ある態度とは言えないものがあります。よって、今後は、議会における発言はすべて40万市民に対する公約であり、所信の表明であることを強く自覚され、き然たる態度で臨んでいただきたいとの指摘であります。
当局におかれましては、以上申し上げました事項をはじめ、審査の過程において指摘した事項について十分配慮されるとともに、確信をもって効率的な予算の執行と円滑な市政の運営をはかられますよう、お願いいたします。
議員各位におかれましても、当委員会の決定に御賛同賜わりますようお願い申し上げまして、予算特別
委員長報告といたします。
最後に、正副委員長を代表して私から一言お礼のあいさつを申し上げます。
去る20日以来28日までの7日間にわたり、予算特別委員会に付託された諸議案については、慎重かつ精力的な審査を賜わり、また、限られた日程にもかかわらず円滑な議事運営にも御協力をいただきまして、無事に審査を終了いたしましたことに対し、この機会をおかりしまして、議員各位をはじめ関係当局の皆さまに厚く御礼を申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) なければ、質疑を打ち切り討論に入ります。
上程中の各案に御意見はございませんか。──17番。
(登 壇)
◆17番(大槻弥之助君) 共産党市議会議員団を代表いたしまして、議案第96号昭和53年度西宮市
一般会計予算、議案第102号昭和53年度西宮市
区画整理清算費特別会計予算、議案第106号昭和53年度西宮市
生活環境施設整備事業特別会計予算について反対の立場から意見を申し上げたいと思います。
市長は、歴代の自民党政府の高度経済成長政策の破綻と、その帰結として資本主義の全般的な危機が深まり、新しい段階として、5年続きの構造不況から、政府自民党が独占のために、景気の回復施策として15カ月予算、34兆円に及ぶ予算を組み、その中でおおばんぶるまいの10兆円の公共投資を組んでも、資本、通貨、貿易、価値観などいずれをとってみてもあすへの見通しも何一つなく、長い不況のトンネルの中から安定成長社会への出口も明らかでなく、きびしい経済社会環境の中で最も必要なことは将来への展望を見通して事を行なうことである、そのことは市民の要求と価値観、これに依拠することが行政の目標である、と述べております。奥市政の過去2年間を見ますと、歴代自民党の政府に追随し、内務官僚県政に追随しながらやってきた行政の当然の結果として、西宮市は市制始まって以来の財政危機を招いたのであります。その37億円に及ぶところの赤字を解消するために、
財政再建団体転落阻止を至上命令として、市長は財政再建計画を策定し、そうしてけちけち行政を行なってまいりました。昭和51年度では、水道料金をはじめとするところの使用料、手数料をはじめ大幅に公共料金を改定し、そして言うならばゆりかごから墓場まで、言うなら地獄極楽この世にありということで、住民には22億円という負担をかぶせたわけであります。まことにきびしい無情の風が51年度では吹きました。51年の暮れから52年度へかけては、市の財政再建の一つの柱として162名に及ぶところの市職員の肩たたき、合理化によるところの追い出しがなされていきました。また、教育と福祉という問題についても見直しということで切り下げられ、そうしてそれと合わせて市有財産のたたき売りが行なわれ、30億円ばかり売ったわけでありますけれども、その売ったあとを考えてみますと、まさに貧すれば鈍する、バナナのたたき売りのように価値あるものを安く売ったのも、われわれは常に指摘をしてきたところであります。また、そういう行政と合わせ社会福祉の面では大幅な切り下げを行ない、老人の入浴券を2枚から1枚にまで削った、こういう行政のあとをたどりながら、53年度では何とか行政の水準を高めるということで、一般会計586億円、特別、企業会計合わせて867億円の予算を組んだわけであります。その中で市長は、私は活力に満ちたまちはつち音の絶え間のないまちづくりである、そのまちは福祉施策の充実及び生活環境の整備、それから教育関係施策に重点を置き財源配分をやりながら、これをやり通すのだ、こういうように述べております。ところが、自治省の昭和53年度の地方財政計画は、その策定方針の中で、きびしい経済、財政事情のもとで、地方自治体が国と同一基調で地方税の増税、受益者負担の適正化をやりながら、不足した財源については起債及び補助金で補てんをするが、その歳出については人件費、公債費等義務的な行政経費の節減及び合理化、これを進めながら関連の社会資本の整備促進と景気の回復に振り向けなければならない、こういうように述べております。ここで政府自民党は、この53年度予算の中で、景気浮揚の名のもとに大資本大企業に奉仕するために大型プロジェクトによる公共事業を実施し、かつての悪名高い田中内閣の列島改造を、いままさに地方自治体の財源まで動員してやろうとしております。市長の財源の部分についての市政方針は、ふたごのまさにウリ二つ、これは市長自身が書いたものでないかもわからない、あるいはお役人が書いたので自治省の方針に近くなったものかもわかりませんけれども、まさにウリ二つだということを重ねて言わなければならないと思います。市税収入は昭和52年度で264億円、53年度288億円と24億円しか伸びておりません。そういう中で市長がこの地方財政計画に忠実である。私は言いたくないけれども、公債費、すなわち市債について、これを見るならば、昭和52年度38億円から昭和53年度67億円と、言うなら昨年の12月の議会で、私に対する答弁の中で、市債は極力押えて、そうして本年度並みでやっていきたい、こういう答弁をされておりますけれども、実際には政府自民党の言う、言うなら、起債、借金によって土木事業、すなわち公共事業を推進しようとする姿勢がありありとうかがえるのではないかと思います。このことが、さらに56年度以降の市の財政計画において、またぞろ財政硬直化の原因となり、市財政の危機を招きかねないということを、ここで強く指摘しておかなければならないのであります。ただ私ども、この予算編成の中で市債がふえておりますけれども、その中で救われるというように考える部分もあります。しかし、一つ一つ検討をしてみると、民生、福祉費でありますけれども、昭和51年、52年度で切り下げられております。今年度は昨年同額であります。そうすると、市長の市政方針というものが、福祉に重点を置く、愛情のある福祉、こういっても、とうていこの予算では昭和50年度の水準にもどることができないのであります。こういう福祉を削っておる施策の結果として、保育所なんかが建たず、現実に700名余りの保育浪人が出るという結果になっております。ただ、教育予算については、52年度80億円から53年度115億円と大きく伸びております。この点は、私は、正しく評価をしておかなければならないと思います。しかしながら、この教育費の内容一つとってみても、武庫川の公団住宅に関連をしておる部分を除きますと、依然として鳴尾北小学校をはじめとする多くのマンモス小学校、あるいはプレハブ校舎の解消というところには至っておりませんし、委員会審査を通じて明らかになったように、これがいつ解消されるのか、その見通しも明らかでないというような状態であります。また、教育現場の要求である学校配分経費等も、小学校の部分では依然として少なく、中学校の部分でわずかに増額をされておる、こういうような状態でありますし、教育予算全体を検討してみますと、いま青少年問題、あるいは子供の学力の問題、いろいろ論議されておりますけれども、真に子供の教育権を保障するような基礎学力を充実させる、私は、こういうための教員に対する手厚い配慮がなされておらない、また、その教育権を完全に保障するような環境整備も十分でない、このように指摘せざるを得ません。こういうように部分的に取り上げると評価をされる部面においても、借金政策、言うならやりくり算段をやることによって乗り切ろうとしておるけれども、これが財政硬直化になり、市財政の危機にならなければと重ねて言わなければならないのであります。また、市長の市政方針の中で出ておりますところの人件費、運営管理経費の緊縮抑制と予算の執行管理、資金の管理強化という名のもとで合理化が着々と進められております。臨時やパートやアルバイトが増加し、業務委託はふえております。憲法をほんとうに守らなければならない地方自治体の中で低賃金、無権利の労働者が増加をしていく、こういうことはみずから行政水準を引き下げるということになっておる。また、公民館や学校給食をはじめ市民会館、市民館と挙げれば数限りがありませんけれども、これらは地方自治体みずからが行政水準を引き下げ、自治権をみずから放棄し、あるいは自治権を侵害しておるというように指摘をしておかなければならないのではないかと思います。その一つのあらわれとして教育委員会も同じようなことを言っております。教育委員会は、公民館活動の中で、生涯教育の観点から学習活動に市民は積極的に参加してもらう、そうして公民館活動を充実するために地域社会形成に努力を払う、人間育成を目ざすところの条件整備をやるとかいろいろなことを言っておりますけれども、その社会教育、特に公民館活動は、地域の公民館活動推進員会、ここにその責任を全部かぶして1年間やってきたが成果が上がらず、目下この問題についても暗中模索をしているということを、ことばたくみに述べております。また、その公民館活動の方針のなさが委員会審査の中でも明らかになったと思います。
以下、われわれ
共産党議員団は、具体的に反対の個所を申し上げていきたいと思います。
まず、歳入の面から申し上げます。
第1款第12項都市計画税でありますが、前年度に比べて1億389万円増の16億6764万円を見込んでおりますが、31日に可決される地方税法の改悪によって8億円の都市計画税の増収が見込まれます。これは自民党政府の地方財政計画が地方自治体の財政需要額を少なく見込んでおる、言うなら、実際の必要額よりもはるかに下に見込んできた結果として今日の地方財政の危機を深めておるわけでありますけれども、34兆円のこのおおばんぶるまいの施策を実施していくためには、どうしても地方財政の財源を補充しなければならない。そこで、この地方財政の補充を国からの交付金の増額という形ではなしに、住民から収奪するということで都市計画税、特にこれは目的税でありますので、この税金をふやして、彼らの公共事業の推進のためにそれを使わそう、こういうような形でありますので、われわれは強くこれには反対をいたしたい。これをやる中でますます地方自治体の自主性がそこなわれ、中央政府の統制が強化されるであろうということを指摘せざるを得ないのであります。
それから、第7款分担金及び負担金第1項第1目第2節児童福祉費負担金、保育所措置費負担金3億520万2000円、これは国の負担の水準、言うなら50%の水準に沿って3年がかりで保育料を引き上げようというものでありますけれども、このこと自体、今日高物価とインフレの中で非常に父兄は苦しんでおります。この保育所の措置費を引き上げることによって一そう保育行政を後退さしていく、私どもはこう言わざるを得ないのであります。同じく先ほどの軽費老人ホームの雅楽荘の問題についても、あの
条例改正によって月々1人1000円余りの料金の増徴である。ところが、私は、福祉行政、あるいは市行政全体を検討してみたならば、年収わずか50万円、どこででもやりくりができる、しかしながら、そのやりくりのできるのを、老人に負担させる、あるいは多くの勤労者に負担さしていく、こういうやり方については納得ができない、このように申し上げておきたいと思います。
また、同じく第8款、
高等学校の授業料あるいは受験料の問題、9939万6000円についても先ほど武田議員が申し上げましたので、ここで触れようとは思いませんが、これも住民の教育負担を増額するものとして反対をいたしたいと思います。
なお、第15款諸収入第6項雑入第5目雑入第5節雑入、
開発整備協力金3億円でありますけれども、この問題については、スプロール化によって西宮市の市街地の学校は満員であります。マンモス化しております。このことについて市長に、あるいは議会にたびたびの陳情がなされ、議会も鋭意取り組んでおるのでありますけれども、開発協力金という形で徴収することは、言うなら、さらに市街地への住宅建設を許すこととなり、さらには学校や幼稚園や保育所やそのほかの社会資本の不足を促進する、言うならば、充実した社会環境ということから考えてみるならば全く相矛盾することであります。でありますので、この問題については賛成することができません。
それから、第16款市債第1項市債第4目土木債の問題でありますが、これは歳出に見合ったところの財源を確保するために政府に起債を仰ごうとするものでありますけれども、山手幹線については、当面国道171号線の西宮市内におけるバイパス道路としてこれを使用していくという考え方があります。これによって静かな地域の環境を破壊し、公害をバラまき、交通災害をふやしていく。建石線についても、西宮市南部の海岸埋め立て、あるいは湾岸道路、これのインターチェンジの取りつけ口、やがてそのインターチェンジから市内の道路へ向かっての自動車の隊列、これは同じであります。ですから、われわれはこういう事業をやるための市債には反対をいたしたいと思います。それから、阪神連続立体交体交差及び今津西線の立体交差あるいは夙川区画整理についても、連続立体交差については委員会の中でも指摘してまいりましたけれども、今日の建運協定そのものが資本に有利であって、言うなら県や地方自治体、住民負担が非常に多い、われわれは大企業大資本の利益になるようなこういった事業はやるべきでない、生活環境に重点を置いたところの施策をやるべきだという立場からも、この市債に賛成することはできないのであります。
次に、歳出について申し上げます。
第8款土木費第4項都市計画費第3目街路事業費ないし第8目でありますけれども、これについては、いま歳入のところで意見を申し述べておりますので、ここではあらためて申し上げません。
それから、同じく第8款第4項第10目生活環境施設整備費の繰り出し金についても同じであります。
以上で議案第96号についての反対の討論を終わりたいと思いますが、議案第102号、議案第106号についてもすでに意見を述べておりますので、ここで重ねて意見は申し述べません。
以上をもって共産党市議会議員団の反対討論を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
(登 壇)
◆45番(八木米次君) 研政会を代表いたしまして、53年度の一般会計、
特別会計予算に対しまして、賛成の立場から意見を申し述べたいと思います。
御承知のように、昭和52年度のわが国経済は、当初の見通しでは実質6.7%の成長率が達成できるとされておりましたが、最近までの推移によりますれば実質5.3%、名目11.1%の成長率に低下するものと思われるものであります。このような国内情勢の経済の落ち込みは、輸入の伸び悩みや、あるいはまた貿易収支、経済収支の黒字幅の増大を招いております。貿易収支においては180億をこえると言われ、あるいは経常収支におきましてはマイナス7億ドルといっておりましたのが、実に100億ドルをこえるというような情勢であります。そういうことによって昨今の状態は、すでに御高承の通りでございますが、円の為替レートの急上昇をもたらすのに、さらに拍車をかけておる状態でございます。特にこのことにつきましては、米国のブルメンソール財務長官、アメリカの大蔵大臣が、外交慣例に反するごとく論旨でわが国の背反を非難しておる状態であります。こういう状態を考えましたときに、この不景気の台風はちょっとわが国を去りそうにないというような、なかなかこれは油断ならぬ情勢であろうかとも考えるのであります。
このときに当たりまして、53年度の予算を苦心してつくられた当局に対しまして、大変そのお骨折りを評価するものでございますが、しかしながら、市長はさらに健全化計画の精神を踏まえて、赤字の解消、財政構造の改善、つまり先行き不透明な中での財政の体質改善と行政水準の維持向上をはかることをもって編成されておるのであります。しかし、この予算編成が必ずしも100点満点であるというようように、私は、ここで特別にこれをまことにすばらしいものだとも断言できないものでございますが、今回の特別委員会におきましてつぶさに予算を審査いたしまして、その際に私どもも真剣に論議の展開をしたことは御存じの通りでございます。
第1から私の所見を申し述べていきたいと思いますが、予算の規模から見まして、実質伸び率は一般会計で13.3%、特別会計では3.4%、合わせて10.9%の伸びとなっております。このことは、国の予算の伸びをはるかに下回るものでございますが、これは当市が大幅な赤字を出し、財政の再建途上にあることを考えればやむを得ないところであろうと思います。なお、福祉、教育面におきましては、部分的にはいろいろ問題もあります。保育所の建設、あるいは小中学校の新増設の財源、これらを見ましたときに、許す限り取り入れられたと思いますが、その苦悩に満ちたプロセスにかんがみ、苦心のあとを見ましたときに、これを是とせざるを得ないのであります。特にこの際ことばを添えますが、先ほども問題になりましたが、マンモス校問題につきましては、格段の措置を講ずることを要望するものでございます。ともあれ私どもは、教育、福祉の充実は市政の最重要課題であることは論をまちません。市の財政事情を見るとき、残された多くの問題の処理を考えましたときに、一日も早く赤字ベースの財政から脱却されるよう要請するものでございます。
次に、
財政健全化計画との関連でございます。
私どもの当局から受けました資料によりますれば、その整合性は約3%の狂いがございます。これは、当初、ベースアップ分の5%が組めず、財源を留保したという説明であります。内容的に見た場合も、経常的経費をかなり抑制し、投資的経費に財源が回されていることは、当局の言う財政弾力性の回復へ一歩近づいている証拠であると解するものでございます。しかしながら、討議の中にもありましたように、経常経費の抑制のあまりに、たとえば道路や各施設の維持、修理の管理面の支障がないかどうか、さらに私も公債費の増高を心配するものでございますが、開発協力金の積み立てにより、それに備える措置が講ぜられたことは、新しい方策として理解するものでございます。将来なお減債基金制度を設けるなど一定の措置が必要であります。私はかねがね神戸市の財政運営について研究すべき問題があるということを主張してきた一人でございます。それは簡単に言うなれば、一定の貯蓄の上に立っていずるをはかることに徹していることだと思うのでございます。また、この財政の健全化計画に狂いが生じましたことから、計画についての批判なり討議があることは私も承知しておるのでございますが、効率的、合理的な計画性を財政が持つことは当然のことであり、計画である以上、また、低成長時代の実態に即した路線を明確にして財政を運営することが、以前にも増して必要であることを強調しておきます。
第3点は、赤字の解消問題であります。
これにつきましても、当初5億8000万円の解消措置がとられたのですが、52年度の決算見通しの上に立ってながめるなれば、節度ある財政運営がなされる限り、まず解消は可能と判断ができますし、そのような答弁を承っておるのであります。
第4点は、中央病院について若干触れておかなければなりません。
中央病院につきましては、修正6カ年計画を立て、市から一定の補助金を債務負担で受け、52年から54年の単年度収益収支の均衡をはかるというものでありますが、経理上の措置はともかくとして、要はその内容の充実であります。公立病院は、ともすれば、赤字はやむを得ずという感覚でなくして、真に市民のために特徴、特色のある病院とすることが、何よりも重要であります。このことを抜きにしては地方自治体病院の存立の意義を失うことを、あらためて肝に銘じてほしいのでございます。
最後に、今期予算審議に当たり多くの委員、議員から出されました賛否の意見なり指摘されたことにつきましては、当局は謙虚に耳を傾けるべきであります。いずれも財政危機を乗り越え、西宮市の発展のために建設的な意見として受けとるなれば、おのずと道は開けると思います。冒頭に申しましたように、私としても、必ずしもすべてに満足するものでないにしても、現下の当市の持つ財政事情からして新年度予算を是とするものであります。市長以下ともにザイルを結び、一致して力一ぱい足をふんばっていただきたいことを念願してやみません。
以上、私の意見を付しまして賛成討論を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
(登 壇)
◆37番(江上常富君) 毎年新記録を続ける一般会計及び17特別会計、3企業会計、総額867億余の予算案に対し、日本社会党市会議員団を代表して、以下意見を申し述べたいと存じます。
予算の編成に当たりまして社会党西宮総支部は、市長、教育委員会、
水道事業管理者に多くの要望をしてまいりましたが、必ずしも満足すべき回答ではなかったのでありますが、相当努力された点もありました。しかし、遺憾ながら審議を通して明確になりましたことから、まず議案第96号昭和53年度
一般会計予算については、一部において反対であることを表明しておきたいと思います。
すなわち、西宮市制始まって以来かつてない膨大な赤字を生じせしめ、その影響により40万市民や市職員とその家族にまで迷惑をかけ、そのため財政の健全化のやむなきに至ったのであり、ために教育、福祉など市政の各般にわたり停滞と遅延となったことは、この予算案に賛成する諸君も認めるところでありましょう。したがって、赤字を生じせしめた幹部の責任はまことに大きく、先の議会においても、私はこの壇上より指摘してきたところであります。しかしながら、その責任のとり方についても、今日まで何もありません。信賞必罰とか綱紀粛正とか、あるいは市職員に対する執務のあり方を追及する人もありますが、はたして公正な議論が議会の中で少ないことを遺憾とするものであります。私は、まず幹部が率先してえりをただし、範をたれるべきであろう、そして全職員に対しても厳正な服務を呼びかけるべきではないでしょうか。
次に、歳入関係について。当局は財源の確保を述べながら、その獲得についての成果のあとはあまり見られません。創意工夫に欠け、依然として地方財政法第10条における超過負担は、きのう発表されましたが、それだけでも赤字を解消させる金額に及ぶことを考えるならば、やはり国に対する追及の姿勢はいまだ弱いことをものがたっており、遺憾にたえません。その結果市民にしわ寄せられているのであります。家計における教育費の支出は年を追って増大していることは、教育立国をうたう新自由クラブも認めておりますが、このような中で、総合選抜という名を借りて、
高等学校授業料の値上げに賛成する諸君もありますが、私は反対である、このことは先ほどの生瀬議員の意見で明らかであります。また、保育料の値上げや軽費老人ホームの使用料も認めるわけにはまいりません。
さらに、民生費の中で、同和地域各種団体育成費助成金についても、不均衡であり、賛成できません。
予算編成の原則は、総計予算を地方財政法では明らかにしておりますが、昨年はこれにならい、本年はこれを避けて通るなど、まことにあいまいと言わなければなりません。
歳出、教育費において。昭和40年教育正常化を打ち出し、教育の三悪追放、特にマンモス、プレハブの解消をはかり教育条件の整備を目ざし、教育委員長をはじめ教育長など幹部はその推進をはかってきたのでありますが、今回の教育予算は、正常化の理念とは相反するものではないでしょうか。かつて広田小学校が県下でも有数のマンモス校でありましたが、当時の最大学級数は48学級でありました。そして能登町に分離校を考えたのであります。45年決定した総合計画では、文部省基準では1校18学級ないし24学級でありますが、都市の性格からいって西宮では標準規模を24学級から30学級としたのでありますが、今日では、35小学校の中でこの決定された標準規模を上回る学校は約半数の17校を数え、中でも鳴尾北ではここ数年で悪い方の新記録をつくる、54ないし55学級の超過大校となります。特別教室も不足し、プール、運動場も狭く、教育効果を低下させることは明らかであります。この議場にも教師出身の議員も多く見受けられるのでありますが、はたして心から賛成できるものでありましょうか。また、新設校ができるときは必ず定数条例の改正を行なってきた経緯があります。しかし、今回は定員を増加していないのであります。すなわち、定数条例の改正は見送っておるのであります。従来の例を破るやり方に、私は納得がいきません。福祉においては、もっと予算の増額を望んだのでありますが、しわ寄せを受けていることは残念であります。多くの議員からも強い意見が数多く出されていたことは御承知の通りであります。特に、本年、保育所入所を希望する人の四十数%もが入れなかったことは、児童福祉法第24条、すなわち、「市町村長は、保護者の労働又は疾病等の事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがあると認めるときは、それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない」と書いてあるのであります。この市長の義務を怠っていることであり、これは保育所の新設がないためであり、強い不満を持つものであります。
いま申し上げたところがおもな反対の点でありますが、賛成する中でも不満はありますが、特にそういう点を指摘して反省を求め、そして改善に努力をしていってほしいという要望意見を、以下述べたいと思います。
まず、一里山荘についてであります。
和光会の設立に当たり、5000万円の寄付行為を確認しなかった市から出ておりますところの理事、監事の責任はまことに大きいものがあります。このために、財政難の今日一里山荘に対する補助を出さざるを得ないことになり、結果的には市民に負担させることとなっているのであります。したがって、すみやかに責任をとるとともに、
民生常任委員会で出された意見を尊重し、入居者が安心して老後の余生を送り得るよう、運営について強く要望するものであります。
衛生費について。3カ月児は特に100%をはじめ、胃ガン、成人病、子宮ガンなどの検診に力を注ぎ、予防に格段の努力を払うことが早期発見、早期治療をはかり、国民健康保険の給付費を減少させ、市費の繰り入れ金を少なくするとともに、保険料の引き上げを緩和することに役立つものと信じますので、検診をはじめ予防策を強く要望します。
土木費について。道路台帳の不備のため、市と民間との境界や土地の所属をめぐって訴訟が起こり、今日まで不要の経費を要したことは多くあります。第1次7カ年計画もおくれ、相当な面積がいまだ整理されていないので、今後予算を増額してすみやかに整備をされるよう強く要望するものであります。
また、県道の整備がおくれ、それに肩がわりする街路事業が見受けられることは、不満な点もありますが、県当局に対し、県道の整備を強く要請されたいのであります。
さらに、交通安全対策事業を推進しているが、しかしながら、不法駐車など安全を阻害している点も多い、警察当局とも連携を密にし、市道管理の万全を期してほしいのであります。
さらに、県立高校の誘致については、方針上にはあらわれておりますが、審議過程では具体的には何ら明らかにならなかったことは、まことに遺憾であります。市民の強い要望でありますので、開門率の向上を目ざし、確実に誘致できるよう強く要望しておきたいのであります。
国民健康保険について。この特別会計については不満でありますが、次の意見、条件を付して賛成をします。
最近における保険料の引き上げについては、市民の間に多くの不満の声を聞きます。国、県の支出金の増額に努力し、また、所得不明の被保険者を確実に調査の上把握し、さらに、保険給付の分析を行なうなど、負担の軽減策をはかられたいのであります。
次に、中央病院の運営についてであります。
わが中央病院は、全国的にもベッド数から見れば最大の赤字経営となっていることは、まことに不満であり遺憾でありますが、次のことを善処されることを条件として賛成するものであります。特に60床の遊休施設となっているばかりでなく、経営改善についても多くの指摘がありましたが、なお努力すべき余地はたくさんあります。院長はじめ関係者は、一そう市民の期待に応えられるように努力を傾注されることをお願いしておきたいのであります。
その他多くの意見はありますが、時間の関係で割愛をしておきますが、予算特別委員会においてわが党から出された多くの意見については耳を傾け、取り上げることは勇気をもって取り上げてほしいということを申し上げまして、私の反対意見にかえたいと思います。
どうもありがとうございました。(拍手)
(登 壇)
◆23番(雑古宏一君) 私は、ここに市政会を代表いたしまして、議案第96号昭和53年度西宮市
一般会計予算、並びに議案第97号から第113号までの各
特別会計予算について意見を申し上げるのでありますが、これらの諸議案に対し、いままでにそれぞれの立場から、共産党の大槻議員さんからは反対、社会党の江上議員さんからは反対と賛成の併記の御意見を拝聴さしていただきましたが、価値観の多様化、行政水準の拡大と相まって、すべての市民が満足し、100%万全の予算編成は絶対に望み得べくもありません。部分的に多少の反対があったとしても、大局的に必要不可欠の予算であるならば、私たちは大局的な立場から賛成すべきであると信じ意見を申し上げたいと思います。
昭和53年度のわが国経済を取り巻く環境は、たび重なる公定歩合の引き下げ、並びに国における公共事業推進の積極型予算の編成にもかかわらず、景気回復の足どりははかばかしくなく、加えて秋以降の円相場の急上昇など、内外ともにきびしいものがあります。このような状況の中、本市においても昭和53年度は
財政健全化計画の3年次目に当たり、
一般会計予算では総額約585億円で対前年度比8%増、一般、特別会計総計では約749億円で対前年度比7%増にとどまっております。これは一口にいって
財政健全化計画に沿った予算編成においてはやむを得ない結果であったろうと思われるのであります。
そこで、予算編成の基本であるところの歳入から見てみますと、歳入の約5割を占める市税収入において、対前年度当初比で9.1%、対前年度決算見込み比では7.4%の伸びしか示しておりません。これは健全化計画で示された決算見込み比10%の伸びを大幅に下回っておりますが、地方税制の改正に伴う都市計画税の増収分約8億円を当初段階では計上し得なかったためであります。かりにこの都市計画税の増収分を加えますと、対前年度当初比で約12%、対前年度決算見込み比では約10%の伸びとなり、ほぼ健全化計画通りであります。いずれにせよこれでは過去の高度成長時代の夢は望むべくもなく、歳出を抑制するか、もしくは国同様起債等の借金に頼るかのいずれかを選択するしか道はないのでありましょう。しかしながら、借金に依存しすぎると財政が放漫化するおそれがあるほか、世代間の負担の不公平が生じますし、インフレや民間資金需要の圧迫といった弊害が起こることも心配です。したがって、財政規模をふくらませるために歳入の過大見積もりや借金への大幅依存を避けた当局の姿勢は賢明であったと思うのであります。問題は補正段階における都市計画税の増収分であります。これが使途については、人件費補正の際振りかえ充当することもやむを得ないと考えますが、今後の運用については慎重を期すべきであることを指摘しておきます。
次に、歳出でありますが、一般会計では総務費、教育費、公債費等において著しい増加を示しております。このうち総務費については、鳴尾支所の建設費、公共施設等整備基金の積み立て金等が含まれているためであります。教育費については、健全化計画の当初では、たとえば、プレハブ教室でしのぐとされていたものを、国庫債務負担行為を利用しているとはいえ、増改築を年次的に進めるということは、教育者としての奥市長の面目躍如たるものがあります。まさに行政方針にいうところの「教育文化の向上」の、予算における具現化といってもよいでありましょう。問題は公債費の増加であります。公債費の中には一部約6億円ほどの借換債が含まれているとはいえ、毎年確実にふえ続け、類似団体と比較してもかなり高い水準を示し、これが財政硬直化の大きな原因でもあります。したがって、今後起債の運用については、私どもも従来から指摘している通り、ほんとうに後世の住民が負担しても適正なものかどうかを見定め、安易な財源調達の手段として運用することは避けるべきであります。ただ、将来の公債費増を見込み、開発協力金の積み立てにより関係公債費の償還に備えたことは、せめてもの救いであったといえるのであります。ところで、投資的経費でありますが、一般、特別会計合わせて対前年度比6.9%しか伸びておりませんが、問題はこの内容であります。これを内容的に見てみますと、義務的経費であり、財政硬直化の一因でもあるところの継続費、債務負担行為において対前年度比約27億円減じ、逆に現年度事業において対前年度比約38億円も増加しているという点であり、これは
財政健全化計画にいうところの財政構造の弾力性が徐々に回復してきたと見てよいでありましょう。しかしながら、市民が久しく待望している下水道事業において、事業費ベースでほぼ前年並みと目を見張るものがないのは残念であります。これは海岸埋め立てとの関連で事業認可がおくれているためと聞いておりますが、この事業については、県とも事業促進について十分な協議を行ない、かつ関係住民の理解と協力を得る努力を続け、早急に事業の促進をされるよう要望しておきます。なお、本市会においても再々取り上げられた人件費の問題でありますが、人件費においては一般、特別会計合わせて対前年度当初比10.8%の伸びを示しているにもかかわらず、この中にはいわゆる給与改定に伴う5%分が計上されておりません。かりにこれに健全化計画にいうところの5%に見合う増加分7億円を加えますと、対前年度当初比11.5%の伸びとなります。これによって経常収支比率の悪化が懸念されるのでありますが、昇給もストップしてきた職員の生活水準をある程度回復していくということも必要でありますし、市の行政サービスの大半は人的サービスといっても過言ではありません。にもかかわらず、施設増等に伴う人員を条例定数の枠内でまかなっている当局の努力には一定の評価を下してもよいでありましょう。今後とも効果的かつ適正な人員配置を行ない、さらに努力を続けられるよう希望いたしたいと思います。
最後に、赤字解消計画でありますが、昭和51年度累積赤字約27億円を、52年度3月補正で約5億円、53年度当初予算で約5億8000万円を解消するとされておりますが、単純に計算しますと、なお54年度に約16億円の赤字解消が必要となります。健全化計画よりは幾分ペースは早いとはいえ、依然として赤字ベースの財政であることは忘れてはならないのであります。一方では、当局の赤字解消の実態に対し、もっと事業をやれという主張もありますが、低成長時代に備えるならばやはり赤字解消が先決であると考えざるを得ないのであります。当局におかれては、一昨年の
財政健全化計画策定時の緊迫感を忘れることなく、さらに今後ますます多様化する市民ニーズに適切に応えていけるような財政運営をはかるため、適正な予算の執行管理を行ない、健全財政に立て直し、行政水準の向上につとめられるよう希望するものであります。そして、本年を西宮市財政健全化の実質的な元年とし、一方で、市長が昭和60年度を目標に、新しいまちづくりのために推し進められておりますマスタープランの改定も、また確たる信念をもって後の時代に悔いなきものとなるよう要望して、私の賛成討論といたします。
どうもありがとうございました。(拍手)
(登 壇)
◆30番(海貝福松君) 昭和53年度
一般会計予算について、私は、民社クラブを代表いたしまして、賛成の立場から意見を述べさしていただきます。しばらくの間よろしくお願いいたします。
昨今の長期化した、そして見通しも決して明るくないこの不況の中で、国においても景気回復のためにあらゆる苦心を重ね、何とか景気の回復をと15カ月予算を編成し、いまや必死の状態であります。しかし、その大半を消化するのが地方自治体でありますが、この地方自治体も経済不況の影響をまともにこうむりまして、税収の伸びは鈍化し、山積する各般の行政需要の解決もなかなか思うにまかせない窮状であることは、皆さん方すでに御承知のことであります。まして、本市は51年末で約27億円余にのぼる累積赤字を抱え、
財政健全化計画の一定の枠の中で、その基本線は堅持しつつも、累積赤字の解消と市民福祉の維持向上との両立を目ざした53年度の予算編成は大変苦労されたことと推察されるのであります。
具体的に一、二例を列挙いたしますと、まず、歳出面でありますが、51、52の両年度にわたり、福祉や教育をはじめとして各般の行政施策の見直し、経費の節減等が実施され、市民にも赤字財政のしわ寄せがしいられてきたことは、やむを得なかった措置であろうと考えられますが、53年は引き続く財政難にもかかわらず、わずかながらでも市民福祉の向上につとめられてきていると言うことができます。福祉の面では、留守家庭の児童対策、家庭保育所の充実、低所得者に対する高額医療費の貸し付け制度の新設のほか、
財政健全化計画期間中は保育所の増設は実施しないことになっておりましたが、53年度は増改築のための用地買収、及び新設保育所にも取り組まれるということが明らかにされております。また、不況の影響を受けやすい中小企業に対しては、不況対策としての融資枠の大幅拡充や、大規模スーパーの進出などに対処する商店や市場の経営対策等の調査、指導につきましても、予算額の増額等意欲のあるところが見られるのでございます。さらに、最も懸念しておりました教育施設につきましても、プレハブ教室が一時的には増加するとはいえ、鳴尾北小学校、鳴尾東小学校、また夙川小学校等の過密対策として、校舎の増改築、併設幼稚園の独立化等の具体的内容が予算に計上されておりますし、また、瓦木小学校の分離増設についても用地買収費が予算化され、市長はじめ当局の重点的施策としての取り組みにおいて非常に前向きな姿勢がうかがえるのであります。私は、これら予算の全額執行に一そうの努力を期待するものであります。
また、他方、歳入の面についてでありますが、苦しい財政事情の中で、使用料、手数料などの受益者負担につきましても、尼崎市をはじめ近隣都市では大幅な引き上げを行なっていることも皆さん御承知の通りでありますが、本市においてはその引き上げを最小限度にとどめられ、市民への負担増もできるだけ押えられていることは、受益者負担の適正化を当然にはかるべきであるとはいえ、評価すべき点であろうと考えるのであります。さらに、開発協力金についても、赤字を抱えた財政運営の中で、52年度から、将来の財政負担に備え積み立てを決意され、53年度には当初予算から1億5000万円を積み立てられるということであります。収入できる財源はその年度で使い、施設の充実等をはかる方がよいという意見を耳にしないこともありませんが、市の行政需要は本年度限りのものではなく、将来にも続くものであることは言うまでもありません。その財源を保留しておくこともまた賢明な施策であり、現在のような財政状況のもとでは、これまたそれなりに評価せざるを得ない一つの方途であると信ずるものでございます。この開発協力金のことにつきまして、先ほどの
委員長報告で
総務常任委員会の要望事項が披露されました。当局におかれましては、この要望を尊重され、その運用に誤りなきよう十分に御配慮をされるよう、私も希望いたしますし、一言付言する次第であります。
その他職員定数の据え置きなど勇気ある当局の姿勢に敬意を表明すべき点も多くあるのでありますが、他方、私の非常に残念に思われる一つの事柄は、市の職員のベースアップ分5%が当初予算に計上されていないことであります。しかし、これとても、審議の過程で明らかになりました通り、その財源は確定財源を保留しているとのことでありますので、財源の見通しが全くないというのではありませんから、これまた了解せざるを得ないと考えるものでございます。
以上述べましたように、きびしい財政事情のもとでの予算編成であり、不満な点も多々ありますが、すべてに満足をということははなはだむずかしい問題であり、そうした中で市民の負託に応えようとする市の理事者の意図や姿勢は十分にうかがうことができると思います。その他特別委員会の審査の過程で出されました具体的要望や意見につきましても、私は、市当局が十分に留意され、予算に計上された各施策の経費の全額消化に努力されるとともに、一日も早く累積赤字を解消し、健全な財政状態に回復の上、行政水準の向上に一そう努力されるよう期待し、賛成討論を終わらしていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(目黒邦典君) ほかにありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
採決は議事の都合により3回に分けて行ないます。
まず、議案第96号ないし議案第116号の21件のうち、議案第96号、第102号及び第106号の3件を除く18件の採決を行ないます。
各案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することにして御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました18件は原案通り可決されました。
次に、議案第102号及び議案第106号の採決を行ないます。
両案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました2件は原案通り可決されました。
次に、議案第96号の採決を行ないます。
本案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました議案第96号は原案通り可決されました。
ここで暫時休憩をいたします。
再開は午後1時45分の予定でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
(午後零時43分 休憩)
───────────
(午後2時03分 開議)
○議長(
目黒邦典君) ただいまより休憩前に引き続き会議を開きます。
これより議事を続行いたします。
日程第4 議案第117号外4件を一括して議題といたします。
各案に対する委員長の報告を求めます。
まず、
民生常任委員長 片岡保夫君。
◆27番(片岡保夫君)
民生常任委員長報告。
ただいまより上程中の議案第117号繰入金を繰りもどさない件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
建設水道常任副委員長 元田俊哉君。
◆42番(元田俊哉君)
建設水道常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第118号
市道路線認定の件、議案第119号
市道路線変更の件、議案第120号
市道路線廃止の件、報告第17号処分報告の件(議決変更の
件専決処分)、以上4件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、議案第118号につきましては現地調査をも行ない、慎重に審査いたしました結果、いずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、質疑を打ち切り討論に入ります。
上程中の各案に御意見はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
上程中の各案は、ただいまの委員長の報告の通り決することにして御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました、議案第117号ないし議案第120号の4件は原案通り可決、報告第17号は承認されました。
次に、日程第5 議案第121号外13件を一括して議題といたします。
各案に対する委員長の報告を求めます。
まず、
総務常任委員長 木下 猛君。
◆38番(木下猛君)
総務常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第121号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第9号)のうち当委員会所管科目、議案第133号昭和52年度西宮市
集合支払費特別会計補正予算(第1号)、以上2件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、提出された関係資料をもとに、慎重に審査いたしました結果、いずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
なお、議案第121号に対する討論の中で次のような要望意見がございました。
その第1は、今回の補正の原因は、必ずしも関係法令に基づいて予算を編成しなかったことによるものと思われる。よって、今後は、予算編成の基本原則を規定している地方財政法第3条に準拠して、できる限り正確な予算を計上するよう努力すべきであるとの意見であります。
第2は、予算全体の運用については、特に決算で計画以上の単年度黒字が見込まれる場合、その財源を赤字解消に充てるのも重要であるが、今後は、まず緊急性のある事業の経費に充てるようにすべきであるとの意見であります。
以上であります。
以上
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
文教常任委員長 園田秀雄君。
◆19番(園田秀雄君)
文教常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第121号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第9号)のうち当委員会所管科目、議案第132号昭和52年度西宮市
藤田奨学福祉資金特別会計補正予算(第2号)のうち当委員会所管科目、以上2件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、議案第121号につきましては賛成多数をもって、議案第132号については異議なく、原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
民生常任委員長 片岡保夫君。
◆27番(片岡保夫君)
民生常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第121号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第9号)のうち当委員会所管科目、議案第122号昭和52年度西宮市
国民健康保険特別会計補正予算(第3号)、議案第123号昭和52年度西宮市
公益質屋特別会計補正予算(第2号)、議案第124号昭和52年度西宮市
食肉センター特別会計補正予算(第2号)、議案第125号昭和52年度西宮市
農業共済事業特別会計補正予算(第3号)、議案第128号昭和52年度西宮市
中小企業勤労者福祉共済事業特別会計補正予算(第2号)、議案第130号昭和52年度西宮市
同和対策用地買収事業特別会計補正予算(第3号)、議案第132号昭和52年度西宮市
藤田奨学福祉資金特別会計補正予算(第2号)のうち当委員会所管科目、議案第134号昭和52年度
西宮市立中央病院事業会計補正予算(第2号)、以上9件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取し、慎重に審査いたしました結果、いずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 次に、
建設水道常任副委員長 元田俊哉君。
◆42番(元田俊哉君)
建設水道常任委員長報告。
ただいま上程中の、議案第121号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第9号)のうち当委員会所管科目、議案第126号昭和52年度西宮市
下水道事業特別会計補正予算(第3号)、議案第127号昭和52年度西宮市
住宅費特別会計補正予算(第2号)、議案第129号昭和52年度西宮市
生活環境施設整備事業特別会計補正予算(第2号)、議案第131号昭和52年度西宮市
街路用地買収事業特別会計補正予算(第3号)、以上5件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、当局から詳細なる説明を聴取するとともに、提出された関係資料をもとに慎重に審査いたしました結果、いずれも異議なく原案を承認すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(
目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) なければ、質疑を打ち切り討論に入ります。
上程中の各案に御意見はありませんか。──6番。
◆6番(武田元宏君) ただいま上程されております14件のうち、議案第121号昭和52年度西宮市
一般会計補正予算(第9号)の中の、歳出第10款教育費第1項教育総務費第7目公立学校等建設費のうち、第17節の公有財産購入費、この中にあります県立西宮北
高等学校の用地費、整地費にかかる歳出については、
共産党議員団は反対であります。
これは御承知のように、県立西宮北
高等学校の用地費、整備費を西宮市が肩がわりしたものであります。この当時に比べて現在はわが党の県会での追及もありまして、このような地方財政法にも違反するような行為を県は行なっておりませんが、あいかわらず
公立高等学校の建設については遅々として進まないような状況が現在の県の教育行政であります。私たちは従来からこの問題点を指摘して、こういう安易に県の財政を肩がわりするような、こういう態度が
県立高等学校の建設をおくらせることになるというふうに指摘してまいりました。現在西宮市では開門率が62%、来年はこの開門率を維持するためには約3学級が必要ですが、それは何とかクラス増で切り抜けるとしても、再来年昭和55年の4月にはもう一つ新しい
高等学校が必要となってまいります。しかるに現在県は53年度に3校建設する計画を最後に、それ以降の建設計画も明示しておりません。現在の開門率そのものが不当であるにもかかわらず、さらにこれが悪化するようなことでは、私たちは納得できないと考えます。
以上のような立場から、この種の肩がわり、つまり地方財政法にも反する一種の肩がわりはやめて、県に猛省を促すとともに、県の
高等学校建設を促進するようにもっと厳しく対応すべきであるというふうに考えます。お隣の大阪府が1年間に10校平均の
公立高等学校を建設しているのに比べて、兵庫県は年間わずか2校ないし3校であります。県に猛省を促すためにも、この種の予算執行には私どもは納得ができません。教育委員会はこういう立場に立って県に迫るべきであるというふうに考え、本費目については反対をいたします。
○議長(目黒邦典君) ほかにございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
採決は議事の都合により2回に分けて行ないます。
まず、議案第121号ないし第134号の14件のうち、議案第121号を除く13件の採決を行ないます。
各案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することにして御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました13件は原案通り可決されました。
次に、議案第121号の採決を行ないます。
本案につきましては、先ほどの委員長の報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました議案第121号は原案通り可決されました。
次に、日程第6 議案第135号を議題といたします。
(助役小田忠彦君 退場)
当局の提案説明を求めます。──市長。
(平野正裕君、鳥飼黎明君、生瀬悦子君、片岡保夫君、岡本佐久次君、江上常富君、木下猛君、河崎靖君、半田幸雄君 退場)
◎市長(奥五一君) 議案第135号助役の選任について同意を求める件の提案理由を御説明申し上げます。
昭和53年4月24日付をもって任期満了となる本市助役小田忠彦君の後任者として、引き続き同君を適任と認め選任するに当たり提案する次第であります。
何とぞ御同意賜わりますようお願い申し上げます。
○議長(目黒邦典君) 説明は終わりましたが、本案に対する質疑討論並びに常任委員会の審査につきましては、これを省略することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決しました。
これより採決に入ります。
上程中の議案第135号はこれを原案通り決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、議案第135号は原案通り可決されました。
(助役小田忠彦君 入場)
ここで、再任されました小田助役よりあいさつがございます。
(登 壇) (拍 手)
◎助役(小田忠彦君) 一言お礼とお願いのごあいさつを申し上げます。
私、このたび任期満了に先立ちまして、奥市長より引き続き御推薦を受け、ただいま皆様方市議会の御同意を賜わりまして、身に余る光栄と存じております。心より厚くお礼を申し上げます。もとより、万事至らぬ者ではございますが、思いを新たにいたしまして、今後本市市政の進展のために努力を傾注することはもちろん、市長の補佐といたしまして、また40万市民の奉仕者といたしまして、その職責を全ういたしたい所存でございます。今後とも皆様方の御支援と御指導を賜わることを切にお願い申し上げまして、はなはだ簡単で意を尽くしませんが、お礼の言葉といたします。
何とぞよろしく御鞭撻のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
(平野正裕君、鳥飼黎明君、生瀬悦子君、片岡保夫君、岡本佐久次君、江上常富君、木下猛君、河崎靖君、半田幸雄君 入場)
○議長(
目黒邦典君) 次に、日程第7 意見書案第12号ないし意見書案第14号の3件を一括して議題といたします。
各案に対する提出者の説明を求めます。
まず、中山正義君。
(登 壇)
◆12番(中山正義君) 意見書案第12号公共交通の確保に関する
意見書提出の件、提案に当たり僣越ながら提出者を代表して、私から提案説明をさせていただきます。
文案朗読をもって提案説明に代えさせていただきます。
公共交通の確保に関する意見書(案)。
今日わが国の公共交通は、高度経済成長政策のもたらした過密過疎現象に加え、急激なモータリゼーションの進行に伴い、本来の使命である国民の足としての機能に重大な制約を受け、国民生活に深刻な影響を及ぼしている。したがって、公共交通体系を整備し、秩序を確立し、公共交通本来の機能を回復、向上させるとともに、交通労働者の雇用安定を図ることが現下最大の急務とされている。
よって、政府におかれては、これら公共交通の維持発展に関する立法化を図るとともに、合わせて抜本的な対策を確立されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
昭和53年3月29日
西宮市議会
なお、提出先は、内閣総理大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、運輸大臣、労働大臣、建設大臣、自治大臣、衆・参両院議長であります。
以上であります。
議員各位におかれましても、何とぞ御賛同賜わりますようお願いいたしまして、提案説明といたします。
どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(
目黒邦典君) 次に、片岡保夫君。
(登 壇)
◆27番(片岡保夫君) 意見書案第13号林政の
抜本的転換を求める
意見書提出の件、提案にあたり僣越ながら提出者を代表して、私から提案説明をさせていただきます。
文案朗読をもって提案説明に代えさせていただきます。
林政の
抜本的転換を求める意見書(案)。
わが国における森林、林業の状況はまさに崩壊の危機にひんしており、林業労働者においても、山村の深刻な過疎化に伴う量的不足に加え高齢化、女子化の傾向が一層進みつつある。本市においても著しい開発、各種の公害、山林火災及び松枯れ被害等により森林機能は急速に減退し、生活環境保全にきわめて憂慮すべき状況にある。
よって、政府並びに関係機関におかれては、森林機能の回復及び生活環境保全のため、下記事項について速やかに具体的施策を講じ、実施されるよう要請する。
記
1.林業振興決議(第65国会)に基づく「国営分収造林法」の制定、実施による民有林の振興をはかること。2.治山、森林レクリェーション事業などの公共的事業の充実をはかること、特に保安林についてはその機能が十分発揮されるよう施業の充実をはかること。3.松枯れ被害を防ぎ、緑豊かな生活環境を守るため、公害の規制と徹底した伐倒駆除を行なうこと。4.松枯れ被害跡地については、森林の公益機能早期回復のため、植林など積極的施策を講ずること。5.国有林の経営については、国土保全、緑、水、空気、憩など公益機能の充実を第一義とする経営姿勢を確立し、事業の実行は国有林の技術と組織力を十分活用し、直営実行とすること。このため、機構の縮小、人減らしをやめ、要員の充実をはかること。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
昭和53年3月29日
西宮市議会
なお、提出先は、内閣総理大臣、農林大臣、大蔵大臣、労働大臣、衆・参両院議長、林野庁長官、兵庫県知事、大阪営林局長、神戸営林署長であります。
以上であります。
議員各位におかれましても、何とぞ御賛同賜わりますようお願いいたしまして、提案説明といたします。
ありがとうございました。
○議長(
目黒邦典君) 次に、元田俊哉君。
(登 壇)
◆42番(元田俊哉君) ただいま上程中の意見書案第14号
失業対策事業就労者の吸収比率に関する
意見書提出の件、提案に当たり僣越ながら提出者を代表して、私から提案説明をさせていただきます。
文案朗読をもって提案説明に代えさせていただきます。
失業対策事業就労者の吸収比率に関する意見書(案)。
昭和48年以降の日本経済の急激な変化の中で地方財政は大きな危機に陥っている。自治省発表の昭和51年度市町村決算概況を見ても、決算上は実質収支の黒字額が前年度の倍近くに増加、赤字団体数も大幅に減少するなど、好転の状況を呈しているものの、その実態は、地方債依存度が戦後最高を示すなど、引き続き財政危機の状態にあることは明らかである。本市財政もその例外ではなく、昭和51年度一般会計実質収支額は27億余円の不足となり、行財政運営に非常な困難を来たしているところである。本市においては、これらきびしい財政事情のもとで、失業対策事業を継続実施し、多数の失業者を吸収してその生活安定を図ってきた。しかしながら同事業の県・市における就労者吸収比率を見るとき、兵庫県の負担率は全国平均を大幅に下回っており、さらに本市との比率では52年度で県11%、本市89%と県下最低となっており、このことが本市財政を圧迫するところとなり、同事業の効率的な運営を一そう困難なものにしている。
よって県におかれては、これら実情を御賢察のうえ、県の
失業対策事業就労者の吸収比率を大幅に引き上げられるよう強く要請するものである。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
昭和53年3月29日
西宮市議会
なお、提出先は兵庫県知事であります。
議員各位におかれましては、何とぞ本案に御賛同賜わりますようお願い申し上げまして、提案説明といたします。
○議長(目黒邦典君) 説明は終わりました。
これより質疑に入ります。
上程中の各案に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、これをもって質疑を打ち切ります。
おはかりいたします。
上程中の意見書案3件については、会議規則第33条第2項の規定により、委員会の付託を省略することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決しました。
これより討論に入ります。
上程中の各案に御意見はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、討論を打ち切り採決に入ります。
意見書案第12号外2件は、これを原案通り決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、意見書案第12号外2件は原案通り可決されました。
なお、ただいま可決されました意見書の取り扱いにつきましては、正副議長に一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決しました。
次に、日程第8 請第98号外1件を一括して議題といたします。
両請願に対する委員長の報告を求めます。
民生常任委員長 片岡保夫君。
◆27番(片岡保夫君)
民生常任委員長報告。
ただいま上程中の請第98号国道43
号沿線公害対策に関する請願、請第100号一里山荘の利用料及び共益費に関する請願、以上2件につきましては、去る3月16日以来開催の委員会において、紹介議員の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれも請願の趣旨を妥当と認め、採択すべきものと決しました。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、
委員長報告といたします。
○議長(目黒邦典君) 委員長の報告は終わりましたが、ただいまの報告について質疑並びに御意見はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、質疑討論を打ち切り採決に入ります。
上程中の請第98号外1件は、ただいまの委員長の報告の通り決することにして御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、ただいま採決いたしました請第98号外1件は採択することに決しました。
次に、日程第9 請第94号外1件を一括して議題といたします。
両請願につきましては、先ほど意見書が可決されましたことにより、すでに請願の趣旨が達せられたものと認めます。よって、上程中の請願2件は採択されたものとみなすことにして御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、請第94号外1件の請願は採択されたものとみなされました。
次に、日程第10 請第95号外1件を一括して議題といたします。
両請願につきましては、請願人より紹介議員を通じこれを取り下げる旨の申し出がありました。
よって、おはかりいたします。
上程中の請第95号外1件の
請願取り下げにつきましては、これを承認することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、請第95号外1件の
請願取り下げの件は承認されました。
次に、日程第11 陳情審査結果報告の件を議題といたします。
陳情第130号外9件の陳情につきましては、各常任委員会において御審査願っておりましたところ、各常任委員長より議長に対し、お手元に配付いたしております通りの審査結果報告が提出されましたので、この際御報告いたします。
次に、日程第12 本市公害問題の実態調査並びに対策の件外2件を一括して議題といたします。
各件はそれぞれ担当の特別委員会において調査等願っておりましたが、いまだその調査を終了されておりませんので、この際各特別委員会の中間報告を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決しました。
ここでおはかりいたします。
各件に対する中間報告は、すでにお手元に印刷配付されておりますので、この朗読はこの際省略することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決します。
お手元に配付いたしております各中間報告について質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) なければ、各報告に対する質疑を打ち切ります。
各中間報告によりますと、いずれもなお引き続き継続審査とされたいとのことであります。
よって、おはかりいたします。
ただいま上程中の3件は、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、上程中の3件は閉会中の継続審査と決しました。
次に、日程第13 請第69号外3件を一括して議題といたします。
各請願につきましては、担当の委員会に付託し、審査願っておりましたが、委員会においては、各請願とも今期定例会中に結論を出すべきであるとの意見と、継続審査にすべきだとの意見に分かれたため、採決を行なった結果、閉会中の継続審査と決定した旨、担当の委員長より申し出がありました。(発言を求める者あり)──17番。
◆17番(大槻弥之助君) ただいま提案されております、請第69号、第88号及び第93号について継続審査にすべきだという意見がありますが、特に請第93号においては、現在の5年続きの不況の中で西宮におけるところの失業者は、大阪及び神戸の工業地帯からの失業者のUターン現象が起こり、本市職安の求人倍率は1月及び2月に0.17という指数を示しております。これは全国平均の0.52を大幅に下回るものであって、いまこそ私どもは失業者の不安を解消するために、速やかに失業対策事業の再確立の問題を真に考えなければならないと思います。その具体的な方法として、一つは中高年の就職促進の措置の附則の10条の2項を取り払うことが必要でありますし、また現在、緊急失業対策事業あるいはサービス就労事業、その他の就労事業を国によって実施させることによって、本市の職安で現在失業保険をもらっている約3800名、あるいは毎月600名、700名の人たちが失業保険をもらい終わっているのであります。現在西宮市内の潜在失業者は1万5000人とも2万人とも言われております。現下の情勢において私どもは国に具体的な失業対策のあり方について要求することこそが、私は本当に正しい議会の態度ではないかと思います。よって、この請願を継続審査をしていくという考え方については、私はまことに遺憾であり、速やかに採択すべきだと考えまして、意見を申し上げます。
○議長(目黒邦典君) 採決は議事の都合により2回に分けて行ないます。
まず、請第69号及び請第97号の2件について採決を行ないます。
請第69号及び請第97号の2件は、これを閉会中の継続審査とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました2件は閉会中の継続審査と決しました。
次に、請第88号及び請第93号の2件について採決を行ないます。
ただいまの2件について、これを閉会中の継続審査とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
目黒邦典君) 起立多数であります。よって、ただいま採決いたしました2件は閉会中の継続審査と決しました。
次に、日程第14
議員提出議案第3号外8件を一括して議題といたします。
各件につきましては、それぞれ担当の委員会に付託し、審査を願っておりますが、各担当の委員長より今期定例会中に審査を終了する見込みがないため、閉会中の継続審査とされたい旨の申し出がありました。
よって、おはかりいたします。
上程中の9件は、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、上程中の9件は閉会中の継続審査と決しました。
次に、日程第15
総務常任委員会の
所管事務調査の件外1件を一括して議題といたします。
両件につきましては、担当の委員会より閉会中も調査を行ないたい旨の申し出により付議されたものでありますが、今般両委員長より議長に対し、両件に関する調査は今後も引き続き行なうが、特に閉会中に調査を行なって早急に委員会としての結論を出すべき問題ではないとの判断から、今期定例会をもって閉会中の調査を終了いたしたい旨の報告を受けております。
よって、おはかりいたします。
上程中の両件に関する閉会中の調査は、これを終了することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(目黒邦典君) 御異議を認めません。よって、さよう決しました。
次に、先般訪中されました諸君を代表いたしまして、南野助役より視察の報告を行ないたい旨の申し出を受けておりますので、この際助役の発言を許します。
(登 壇)
◎助役(南野三郎君) 連日の本会議並びに委員会で大変お疲れのところまことに恐縮でございますが、同行いたしました議員各位のお許しを得まして、私からごく簡単に御報告をさせていただきます。
私を初め市議会議員の方々その他職員を加えまして13名は西宮市各界友好訪中団に加わり、去る1月20日から2月1日までの13日間の日程で、北京、済南、南京及び上海の各都市を参観訪問してまいりました。中国におきましては、学校を初め病院、人民公社、工場、住宅、文化施設など各分野にわたる参観と、そこで働く人々と交流を重ねてまいりましたが、いずれの訪問先におきましても予想以上の熱烈な歓迎を受けたのであります。
今回の中国訪問を通じまして私たちが最も強く印象を受けましたのは、中国医学を代表するはり麻酔手術でございました。私たちは山東省済南市の人民病院ではり麻酔による心臓と脳の手術を見学いたしたのであります。そこでいろいろと意見の交換を行ないましたが、そのすばらしさと有為性には全く驚かされた次第であります。はり麻酔は御承知の通り薬を用いませんので、副作用がなく、出血も少なく回復も早いというばかりではなく、患者の意識があるため医師に患者が協力できるということや、手術の時間が驚くほど短いという数多くの利点があるということでございます。また私たちは済南市で小学校を訪問いたしましたが、中国では小学校からすでに革命思想の向上と労働に対する理論と実践を身につける教育が行なわれておりまして、徳育、知育、体育の三つを柱とする教育方針が徹底して行なわれておりました。さらに私たちは集団的農業経営と地域の政治機構を一本化さした組織、いわゆる政社合一の組織であるところの人民公社に参りまして、その歴史的背景や経営内容等についていろいろ学習してまいりました。このほか私たちは婦人解放のための託児所、老後の生活保障、医療費の公費負担等々、福祉施策が充実していることに感心させられたのであります。現在の中国は解放後まだ30年に満たず、発展途上の段階で、しかも日本とは社会体制を異にする国ではありますが、私たちは今回の訪中によっていささかなりとも中国を理解することができたのではないかと自負している次第であります。
私たちは、中国訪問を通じて得た経験と知識を今後に役立たせてまいりたいと存じております。
なお、詳細な内容につきましては、時間の関係もございますし、私ども一行の報告書も後日皆様にお配りさせていただく予定でございますので、本席ではこの程度にとどめさせていただきたいと存じます。
最後に、このたびの中国訪問に際しまして、御高配を賜わりました市長、議長並びに議員各位、報道関係の皆様に対しまして衷心よりお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(目黒邦典君) 以上で報告を終わります。
次に、明後3月31日付をもって退任されます、本市常勤監査委員平山義一君のごあいさつがございます。
(登 壇)
◎代表監査委員(平山義一君) 貴重な時間を拝借いたしましてまことに恐縮に存じます。お許しを得まして、謹んで退任のごあいさつを申し上げます。
私、本月31日付をもって常勤監査委員の任期満了に伴い退任することになりました。顧みまするに、昭和14年6月神戸地方裁判所の書記官から西宮市に転職しましてから実に39年、戦前戦後にわたり激動する時流の中、幸い西宮市政の進運にすがり、さらには公私にわたっての市長初め市会議員各位の温かい御指導と御鞭撻に助けられまして、何とか大過なくその職責を全うし得ましたことを深く感謝いたしますとともに、心から厚くお礼を申し上げます。数多い思い出の中にも私の公務員生活の半世紀にわたる大半を占める議会事務局にあって事務局長として二十数年間、29代の正副議長に仕えましたことは、私の生涯にとりましてまことに印象深いものがございます。また、西宮市常勤監査委員制度発足の初代監査委員として2期7年の長きにわたりその要職につかしていただいたことも、まことに身に余る光栄と存じております。ここに第2の人生の第1歩に当たり、不敏な私を終始御指導、御支援くださいました歴代市長初め市会議員並びに市職員の方々に対し、重ねて衷心より厚くお礼を申し上げます。
今後は、西宮市市民として微力ではありますが、市政の発展に協力いたす所存でございます。
最後に、西宮市政の今後の伸長発展と、皆様方の御健勝と御活躍を祈念いたしまして、まことに言葉至りませんが、退任のごあいさつに代えさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(目黒邦典君) 市長よりあいさつがございます。
(登 壇)
◎市長(奥五一君) 任期満了により常勤監査委員を御退任になります平山義一君に対しまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
平山君におかれましては、昭和14年以来市役所職員として市政の推進に貢献されたのであります。特に昭和25年以降は議会事務局長として敏腕を振われ、昭和46年には常勤監査委員に就任され、行政運営に適切な御指導、御助言を賜わったのであります。大変ありがとうございました。
御退任になられましても、これまでの経験を生かされまして、一そうの御指導をいただきますようお願いいたしまして、お礼のごあいさつといたします。(拍手)
○議長(
目黒邦典君) おはかりいたします。
今期定例会の会議に付議されました事件はすべて議了いたしました。よって、会議規則第6条の規定により、本日をもって閉会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
目黒邦典君) 御異議を認めません。よって今期定例会は本日をもって閉会することに決しました。
閉会に際し市長のごあいさつがございます。
(登 壇)
◎市長(奥五一君) 閉会に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。
議員各位には、去る3月4日以来本日まで、昭和53年度
一般会計予算案を初め、提案いたしました諸議案について終始御熱心なる御審議の上、御協賛くださいましてまことに深く感謝にたえない次第であります。
審議の過程で賜わりました御意見、御要望等につきましては、十分に尊重し、住みよいまちづくりに一そうの努力をいたす所存でございます。
間もなく新しい年度を迎えますが、地方行財政を取り巻く諸情勢はきわめて厳しいものがあります。
議員各位におかれましては、御自愛の上、市政に格段の御支援、御協力を賜わりますようお願いいたしまして、閉会のごあいさつといたします。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(
目黒邦典君) 閉会に際しまして、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
議員各位におかれましては、26日間にわたり本会議あるいは委員会を通じ慎重かつ精力的な議会活動を展開されますとともに、終始円満な議事運営に御協力を賜わりまして、この機会を借りまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。
昭和53年度におきます行財政運営が単年度の行政効果にとどまらず、すでに目標年次の半ばを経過して、いよいよ正念場を迎えました
財政健全化計画の推進、ひいては財政構造改善への具体的展望に重大な影響を及ぼすことは、市長初め市当局におかれましても十分御認識のことと存じます。
新年度施策事業の執行に当たりましても、審議の過程における指摘あるいは議決に際して付した要望等、議会の意のあるところを十分そんたくされるとともに、社会経済情勢の変化に適切かつ迅速に対応し得る柔軟な姿勢で臨み、もって所期の成果を上げられるよう希望する次第でございます。
終わりに、会議中賜わりました議員各位、理事者の方々、また報道関係各位の御指導、御協力に衷心より感謝を申し上げ、閉会のごあいさつに代えさせていただきます。
これをもって本日の会議を閉じ、今期定例会を閉会いたします。
御協力ありがとうございました。(拍手)
(午後2時53分 閉会)...